一つの成長の完了の形

こんにちは

香墨書道教室の川鍋です。


この春、中学3年生になった男の子の生徒さんがいます。

書道を続けて6年目

昨日のお稽古で彼が書いた作品を見て、小中学生の書写の成長過程の完了を感じています。

2年前、書き慣れた小学生の楷書から

中学生の行書の練習に変わった時の戸惑いが嘘みたいに

今では笑えてしまう思い出になりました。

 ↓ これが昨日の作品



私が書道教室を志した駆け出しの時からの最初の生徒さん。

今まで彼が成長過程の段階を山ほど積み上げる姿を見てきました。

成長の過程 4段階はこちらから↓


字を書くことが得意で意欲的、

理解力も高くすぐに上達。


学校の書き初め大会で毎年代表に選ばれ、

書道協会でも優秀作品に選ばれることも多く

月刊誌の生徒紹介にも掲載されました。

夏休みの書道作品展にも自主的にチャレンジしていました。


まわりから見て「圧倒的に字が上手な子」。

同級生に「書き初め大会の代表はいつもそうちゃんに決まってるからつまんないよ」と言われたことがあるそうです。

字がきれいな子になってほしいと親が願う時、きっと目に浮かぶような子。


でも、ずっと悩みながらやってきたよね。

自分が本当に満足する作品を書けたことの方が少なかったよね。

もっと上手に書くために、鉛筆の持ち方を正しく直そうとしたけどどうしてもできなくて諦めた。

夏休みの書道作品展、

あと1枚、あと1枚、やっぱり納得できなくて

練習日を増やしたけど結局自分の思うところまで辿り着けなかった。

毎年の書き初め大会も、学校の環境で書くことに集中できないことに悩んでた。

頑張って取り組んでも、級が上がらない、また上がらない、また上がってない…

お稽古に来ても、集中できない疲れた日だってもちろんあった。

形にしたい。形になるのかわからない。

形になるまでの苦しい時間。


それでも続けてこれたのは、きっと自分の中でふと「変化」を感じる瞬間が何度もあったから。

自分以外は誰も気づかないくらい小さな変化。

それが何よりも確かに自分の努力を讃えてくれる。


そうして気づけば、

線の変化が大切な行書に取り組むことで、中学生になってから正しい持ち方を習得することができた。

小学生の夏休みの作品展で最後まで上手く書けなかった漢字、気づかないうちに克服していたことが中学生の課題でわかった。

今年の書き初めは、初めて指導なしに自分一人で書き上げた。自分でも納得できた、今までで一番の作品だった。

書道協会の級は、この数ヶ月立て続けに上がっている。長い道のりを経てついに毛筆・硬筆とも1級に辿り着いた。


意識しなくても、自然にできる。もう確かに自分の一部になっている。

成長過程の4段階、完了。

おめでとう、そうちゃん^^


そしてまた新たな1段階に入ろう。